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センスメーキング


 センスメーキングとは文字どおり、意味(sense)の形成(making)です。
アクティブに、有意味で(sensible)、知覚可能な(sensable)事象を構築します。

■ センスメーキング 7つのプロセス

1.アイデンティティ構築のプロセス
センスメーキングはセンスメーカーなくしては、はじまりません。
企業におけるセンスメーカーは主に営業や商品開発にたずさわる人たちです。アイデンティティは相互作用のプロセスから生まれます。環境への適応のしかたで自己の定義も変わります。
アイデンティティの確立と維持がセンスメーキングの中心的な課題になります。

2.回顧的プロセス
人は自分たちの行なっていることを行なった後でのみ知ることができるのです。
有意味な生きられた経験(過去時制)の分析に由来しています。(Schutz,1967)自分の知覚している世界は、実際は過去の世界です。この経験を未来につなぎます。

3.価値を発見・発明するプロセス
自分が直面する状況の中で、自らの市場を創り出します。境界線を引き、顧客ターゲットや商品カテゴリーを確立し、以前は存在しなかった新しいマーケットを創り出すためのラベルを貼ります。目に見えて、かつシンボリックなものにする創造のプロセスです。行為よって、このチャンスが得られるのです。

4..社会化のプロセス
どの組織でも、経験の共有をつうじて共通言語を開発し、使用しています。センスメーキングが社会的なプロセスであることは重要な視点です。個々人の思考、感情や行為が他者との相互作用により影響しあいます。
センスメーキングは決して一人で行なうものではなく他者に左右されるのです。

5.進行中のプロセス
企業の多くの仕事は、暫定的な仮定(仮説)をつくり上げては修正しています。
とくに、イベントやプロジェクトの流れが中断されたとき、「何があった?」という問に対する答えを探すように作用します。中断は、重大な変化が生じたことの証(シグナル)であり、その意味づけとともに代替行動をうながします。

6.手掛り抽出のプロセス
手掛り抽出のプロセスは、“探索”、”スキャンニング”、“気づき”です。
“気づき”は、フィルタリング、類別化、比較といった活動と関連しています。気づかれた手掛りが何を意味するのかを確定することが(Stabuck and Milliken)センスメーキングです。バリューマッピング(戦略マップ)であらたな手掛りを導きます。

7.もっともらしさ主導のプロセス
「物のわかった経営者は、完全に正確な認知など必要としない」、「環境を正確に見ることなどできないからこそ、経営者は(成功を遂げるのに必要な)熱狂や努力、そして、自信をもって突き進むのである」(Stabuck and Milliken)といいます。
センスメーキングは正確性(解釈)よりもスピード(行動)を重視します。敢えていえばセンスメーキングに必要なのは「優れた物語」です。
優れた物語とは、有効な「因果マップ」のことであり、それはテンプレートです。


                  出所:カール.E.ワイク『センスメーキング イン オーガニゼーションズ』(遠田雄志・西本直人訳)
                       文眞堂、2001年をもとに編集。記述内容の責任は筆者にあります。




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