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関心箱モデル


 関心箱モデルは環境に、人びとのもつ「関心事」という種子を投げ込むことからはじまります。
人びとの多様な結びつき・・・行為する側も、される側も関心箱に自らの関心事を投げ込む・・・それは、わずかな期待によるものかもしれないし、重大な問題解決の手掛りに利用されるかもしれません。

 関心箱モデルは環境における胚の瞬間(種子同士の新しい結びつき)によって意識され、相互に影響をあたえながら、そこに価値が見だされ、やがて、集団(コミュニティ)や組織(特定の目的をもつ)としての“森”が形成されてゆきます。

 人類の進歩は、工業の時代からソフトな脳化社会へと社会の仕組みそのものに変革を迫っています。画一的なモノトーンのシンプルな時代にはみられなかった複雑で混沌とした社会においては、人びとのニーズを探ることは並大抵のことではありません。

 商品づくりであれ、政策立案であれ、あるいはコミュニティの形成や組織化でも、そこに人びとの関心事が示されないかぎり、結ばれようがないのです。

 こうした問題の解決に関心箱モデルがかなり役立つと考えます。
関心箱は、昔からある「提案箱」やM.D.Cohen,J.G.March,and J.P.Olsen(1972年)らによって提唱された「ゴミ箱モデル」とは異なり、フレームワークと注意喚起機能をあわせもつところに特徴があります。

 関心箱モデルは意思決定に深く関与するものの、もっと広範な人びとの関心事や物事の結びつき(関係)に、その中心的概念をおいています。

 関心箱には、企業理念、経営基本姿勢、ミッション&ビジョン、事業目標、競争者の動き、技術トレンド、法改正、政治社会情勢、顧客の変化、マクロ経済トレンド、などをセットし、「現場仮説」を描くのに必要な知識や情報をモニターします。

 また、業務プロセス、各種プロジェクト、R&D成果、リサーチ結果、新しいアイディア、試作品や解決案、生産・設計プロセス系のノウハウ、販売ノウハウ、大学や情報サービスからの情報の類の共有化にも適しています。

 戦略的に事業環境をセンスメーキングし、そこから得られた情報を共有し、それが何を意味しているかについて話し合うのです。

 “気づきの体系化”、そこにあたらしい発見や発明が期待できます。
従来、この気づきのための注意喚起の機能が、案外軽視されてきたのです。
この機能により情報の好ましい結合(バリューネットワーキング)をたえずおこなえるところに関心箱モデルの意味があるのです。



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